2001年10月6日  福島総会 

アフターブ セット駐日インド大使 講演 

日本の青年及び世界が直面している問題についての構想

ヒューマニズムとユニバーサリズム

日印の協力の必要性

 

 

 私と日本の関係が始まったのは、慶応大学の交換留学生として1年過ごしたほぼ40年前にさかのぼります。この40年間の中に、学生の態度、目的意識、そして一般的な行動の傾向が変化したように見受けられます。

 

2. 昨年になりますが、三菱商事会長牧原実氏とみすみ商社社長田口博氏のご意見を読んで幾分心配になりました。というのは、先ず、たくさんの新卒の採用をみあわせ、次に外国人の採用をもっと前向きに考えたいというもので、これは新しい情報化時代への調整を図り、会社を知識強化された組織に移行するという姿勢でした。日本の教育システムによって、新卒者には十分な知識やスキルが備わっていないという評価の基に新卒者の採用に抵抗があったのです。

この状況は私が初めて慶応大学に入学した当時と少し異なり、その頃では学生達は慶応に入学する事によって有名な会社に入社でき、終身雇用が確約されていると思っていました。それに比べ、静岡大学の助教授磯田ゆうじろう先生の御話によると、東京大学のカウンセラーを務められていたときに、ほとんどの若い学生が卒業後の人生において、何をしていいやら分からなかったそうで、先生は驚かれたそうです。

 

3. 最終目的に関してある程度の困惑があるというのは、どんどん豊かになっていくために、日本人学生は大学の授業の後はあまり勉強しない事が原因となっているのではないでしょうか。実際に国立教育研究所が40カ国について調査を行った結果、日本は一生懸命に勉強にいそしみ、下校後も家で勉強する国のリストにおいて、18位にランクインしました。

 

4. 同じように、日本青年研究所所長千石保氏によると、2年前の結果ですが、日本ではわずか14歳にして将来の希望をあきらめかけ、日本の学生のうち、51%が卒業後は重責をかかえるハイレベルの仕事を希望していないという事が分かりました。

 

5. 今年の3月に電通人間学研究所が行った調査結果において大変おもわしくない統計を発見しました。これは日本、中国、インド、そしてアジア、ヨーロッパ諸国における青年についての調査結果ですが、自国が改善されるであろうと希望を持っているのは、日本において31%、インド68%、シンガポール79%、そして中国では89%でした。では、世界においての将来についても同じような結果が得られ、改善の希望をもつ日本人は33%、インドは57%という中国を上回った結果となりました。またグローバルな環境の向上についても質問されたところ」改善されるだろうと答えたのは、インド人中53%で日本人の間ではわずか19%でした。

 

6. 同じく懸念されるのは、たった56%の日本人がもっと家族と時間を過ごしたいと答えたことで、インド人は86%、タイは84%という結果でした。

 

7. このような、日本の青年にみられる無関心、熱意と目的意識の欠乏と共に、私達が現在生きている環境の急激な悪化と枯渇していく天然資源と人口増加の不均衡是正への苦闘によってもたらされた、日本においてもっと広範囲で実際に私達がこの世界において直面する問題に目を向けていかなければならないと思います。この様にして着実に増大している石油と天然ガスの必要性をめぐり、紛争が発生しています。貴重な石油、天然ガスなどの産出地域の多くが中東、アフリカの一部、そしてラテンアメリカにあり、政治的にも幾分不安定で、産出国から南アジアそして必要なエネルギーの90%を海外に依存している日本を含む消費国へ石油とガスを輸送するのもまた問題です。これは、領土問題をめぐって紛争が発生しうる地域の一部である南シナ海を輸送船が通過しなければならないからです。

 

8. 従来水は無限の資源だと思われてきましたが、私達は世界において水資源の70%を生態学的に乱し、汚染し、破壊してきました。農業水、都市工業水の需要はふえつつある中、河川が共有されている地域で利害の衝突は未だ解決されていません。例えば、ナイル川はエジプトとスーダンによって、ヨルダン川はヨルダンとイスラエル、ティグリスとユーフラテスはトルコ、シリア、イラクそして他の国に共有されています。

 

9. そして又、地球の温暖化問題も悪化し、これは最終的結果を無視し自己的に天然資源を近視野的に利用し、大気に無制限に排出される有毒ガスによるものです。もしも、この傾向が阻止されなければ、何千平方マイルにわたる沿岸地帯は浸水し、モルジブやミクロネシアなどの島国はなくなってしまうと言う恐怖があります。

 

10. 最近の狂牛病の発生に関しても、人間が自然の協議に反し、牛のようになおとなしい動物に羊のくず肉を与え、共食いまでさせ、仲間の死体のすり身まで与えた結果におきた問題なのかもしれません。「グローバリゼーション」における、このように悪化する傾向は終に頂点に達し、最近の劇的な爆破事件に至ったのです。これは、本質的には怒り、挫折、絶望なのですが、想像を絶する破壊的なテロ行為によって表現されたのです。 これは、グローバリズムの歓迎しない面であり、日本だけではなく、世界中め青年にとって、問題となります。一体どこで間違えが起きたのか、そしてこの状況をいかに修正していこうか、私達は深く考える必要があると思います。

 

11. この惑星にこいて崩れやすい生態学的バランスを威圧しがちである、憤りの暴力的表現や破壊的テロ行為に陥る事もある、いわゆる発展、愚かな富みの追行、そして欲の力と戦うために、本質的に非暴力的なプロセスを故意に暴力的に表現するとしたら、インドと日本の文明遺産が十分な弾薬を私達に与えてくれると確信しています。

 

12. インダス文明と偉大な宗教的、哲学的伝統の起源はインドで、他の偉大な宗教的、精神的伝統の動きとは異なった重要な点は、アブラハム教団で、今日のイスラエルとパレスチナの領地に起源したものです。この重要なインド文明の特色というのは、インドの哲学的な伝統であり、抱合的なオリエンテーションなのです。個人は崇拝の手段、又単数であろうと複数であろうと、何千に及ぼうとも信仰する神々について自由があり、厳格な宗教的なテキストも、教理もなく、ヒンズー教徒や仏教徒やジャインに宗教的で哲学的な伝統であり、取捨選択可能で寛容な精神を持つ者を魅惑する柔軟性を与えました。この包含性のある哲学と人生へのアプローチは日本などのインド文明に接触した国々に影響を及ぼしたのです。もちろん、この影響力に関しては、国によって違いますが、この包含的なディメンションの概要は顕著であります。

 

13. この包含的なアプローチにおいて、この哲学的なオリエンテーションが持つ別の特色というのは、インドの伝統の中で個人が置かれている台座が高い事です。救い、目覚め、開放、悟り、自由への探求は、いかなる厳格な倫理や道徳の法典にも拘束されないのです。事実上、具体的であろうとも、たとえ抽象的であろうとも、個人に表現の自由を与え、芸術的であろうとも、虚無主義的であろうとも、又精神的であっても物質的でも、個人に選択があるのです。この選択の自由は、自分の知識を求め、知識の後に得られる目覚めにおいて、インダス文明のように個人を重要とする文明にとって特別なのであります。これは、日本のような国には普及されていないものです。日本では儒教の影響が大きく、これは、社会の崩壊に至るような個人の熱望は許さず、調和の維持、個人の環境に混和する事が重要視されたものです。

 

14. もちろん、これにも例外があり、豊臣秀吉、徳川家康等の立派な指導者、そして黒澤明のような偉大な映画監督、小説家三島由紀夫、明治維新の知識人福沢諭吉、織田信長や大久保利通などの強い個性と指導力を持った偉大な個人主義の人々もいました。

 

15. インダス文明と先に述べたその特色に関してですが、フロイドのような西洋の心理学者が潜在意識を探求しはじめた約2,400年前、仏陀の時代とその前に現れたインドの思想家は、人間の心理に深く入りこみ、潜在意識の神秘を解明することに積極的に取り組みました。結果は、全てが万物の教義によって説明され、命を持つものも持たないものも同じ命の力に溢れ、故に全ての自然、山や川、石、動物、植物、そして人間がお互いに調和し共存していかなければならないというものです。.日本の仏教の言葉で言えば、調和は「エッショフニ」と言います。このコンセプトは古代日本の神道の信仰からのもので、自然への崇拝と自然が私達に与えてくれる恵みが、深く自然の精神に刻み込まれているのです。

 

16. 又、ヒンズー仏教の伝統と神道の伝統は、両方多元的であり、教義、教理、そして絶対的な真実の主張の余地がないのです。このようにして、古代の日本において、物質と精神と存在は切り離す事ができないのでした。インドでも、又、全ての現象と世界中の人間に対しての同じようなユニバーサル的なアプローチがあります。クリシュナは、こう言っています。「私はパールをつなぐ糸のように、あらゆる宗教に存在します。特別の神聖さと特別の力が人間性を清め、はぐくんで居る所には、どこにおいても、私は存在するのです。」

 

17. マハブハラータも同一性について同じ見解を次のように語っています。「河によって河口は異なっても、全て海水となっては一緒になるのです。ああ神よ、人は様々な道を、様々な意図を持ち歩み、皆それぞれ違った形をとって現れるのです。真っ直ぐだったり、曲がっていたり、でも皆、神のもとへと導かれるのです。」

 

18. この教えは19世紀の偉大な宗教の師であるヴィヴェカナンダがラマクリシュナ師から習ったもので、イエズス キリストやゴータマ 仏陀、そして他の聖人や予言者のように、それぞれの人生及び教えは従う価値があり、本質的には同じ言葉を話し、地上では救い、幸せ、そして満足感を得る特別の手段はないという教えなのです。人間は誰しも、又どんな動物であれ、植物、又命を持たないものまで、ある種の神のひらめきをもちあわせているのです。寛大であらゆる宗教を尊ぶこの優しいメッセージは何世紀も前にインドから出発し現在の世界において特別な神性をもっています。インドや日本のような民主国家において比較宗教の勉強を激励するのが切実であり、これによって私達の国の青年達があらゆる宗教的伝統の一致と本質的な美しさを発見できると思われます。

 

19. 20世紀における偉大な人物の一人であり、全ての自然と生きている現象の本質的一致を見つけたのは、ノーベル受賞者で著名な詩人でもある、ラビンドラ ナット タゴールであります。タゴールは1913年にはじめて日本を訪れています。タゴールは最も崇高な考えとタゴールの見た文明の美しさへの愛との共鳴を見出し、このように詩っています。「私の血の中を日夜駆け巡る命の精神と同じものが、世界を駆け巡り、リズムにのって踊りだす。土ぼこりから舞いあがり、無数め葉片になって草花の乱れた波にちぎれいく命と同じように。」

 

20. インドと日本における古代に存在した賢人の教えのコンテンポラリーな価値を把握することは、私達にとって大事です。自負心を満足させるような欲望や拡大されていく物質欲の誘惑を乗り越えることが必要です。日本で伝統的に行われているように、生きているもの、生きていないもの全てに敬意を表さなければいけないと思います。日本の素晴らしい伝統の一つですが、壊れた針と筆がトウフ〔地名〕では儀式と共に埋葬されるそうです。これは、単に目的を達成する単なる手段でしかない道具や器具を含むあらゆる自然の局面に対する敬意を日本人が若い世代に培った事を意味しています。このように、土の中に3粒の種を植える習慣がありますが、一粒は地中に住んでいる虫のため、2粒目は空の鳥のため、3粒目は地上に生活している人間のために植えられ、これは自然と調和しながら共存していくヒンズー仏教伝統の良い例です。

 

21. 私達は仏陀、ガンジー、そして他の偉大な賢人のインスピレーションをみつけなければいけないと思います。賢人達は、宗教、民族とは関係なく集団的な精神で共に働く必要性を見出し、特定のものより、ユニバーサルな物を重要視しました。偉大な画家、歴史家、そして学者でもある岡倉点心がアジア文化の本質的な結束と一致性を語ったことが思いだされます。タゴールやガンジーは岡倉の見た将来の現実性を認識し、さらに、地球上のあらゆる人間性の本質的一致、欲望、要求、熱望、欠点の類似性、そして永遠性と卓越性についての理念を強調しました。

 

22. 私達の前にたちはだかっている現在の状況について、インドと日本はどう対処していけばいいのでしょうか。

 

23. 私は、この重大な分野において、21世紀におけるインドと日本の役割がみえてきました。それは、先祖の古代の知恵を世界に呼び起こし、人類はある意味では命のない物や、植物、動物より優れているものの、自然を征服するのではなく、自然と調和を持って共存していくという切迫した必要性を皆に説得する事なのです。

 

24. さらに、インドと日本は他の重要な国々に並んで、民主政治に徹底しています。ノーベル受賞者であるインドのエコノミストであるアマルティヤセン氏は次のように指摘しています。「民主政治は意見の大部分が優勢しているメカニカルな組織を単に意味しているのではない。民主政治には三つの価値があり、一つは民主政治の持つ本質的な価値で地域社会において政治的生活に参加できないことが大きな損失とされる事。二つ目は、民主政治には機械的な価値があり、民主政治によって国民が必要性を表現できる事になり、国民は支持する政治的指導者を借りて、経済的必要性に関して明白な要求を出す事ができる。三つ目は、民主政治に建設的な価値があると言う事。民主政治によって市民はお互いに学ぶ機会が与えられ、社会の価値と重要性を築きあげる助けになる。」 世界における民主政治の強化はインドと日本にとって自然に協力でき、両国は本質的な人権の保持のため民主政治を徹底して支持しています。

 

25. 環境的なハーモニーを達成するための相互協力の重要な必要性を超えて、私はインドと日本が世界における核兵器の武装解除を求め、国連において安全保障理事会の常任メンバーとして協力しあえると思います。日本はめぐまれた経済力と恐ろしい核兵器による攻撃を経験している唯一の国という立場から世界における核兵器の武装解除を推進する活動を先導していくには最もふさわしいと思います。インドでは、マハタマ ガンジーや仏陀のインスピレーションとネルーシ首相の指導下にあり、小さな、比較的に弱小国家であった1954年以来、常に世界における平和と武装解除をよびかけてきました。この精神の基に同じ意見を持った国と50年にわたり日本の協力を求めつつ共通した目標に向かってきました。 日本で平和と武装解除に関してのインドの持つ真の意図が幾分誤解されているように思えますので、この意味で北川冬彦の「泡」という詩を読ませていただきます。

 

淀んだ河の

草の

根元から ぶっつぶっつと浮き上がってくる

泡たち

その泡の一つ一つは

曇った珠の内部に

不平不満を一杯 溜めているのだが

水面上で

はかなくも 立ち消えてしまうのである

 

 北川先生によって見事に詠いあげられた、この精神が人間の活動におけるあらゆる面をさらに理解しようとする私達の努力を実らせてくれると信じています。

 

26. 現在における日印間の投資と貿易のレベルの評価は重要であり、インドの投資貿易は日本の世界との投資・貿易のたった1パーセントにしか満たない事について適切であるか考えて戴きたいと思います。納得していただけると思いますが、事実上、インドの投資・貿易レベルが不十分でありインドの持つ最大限の可能性を考えてみても不公平であると思います。日本とインドは知識のフロンティアの分野であるIT、バイオテクノロジー、そして生命科学において協力しあい、そのシナジー(相乗効果)が、日本とインドの人々のためにも、両国の優秀な頭脳によって十分に活用される事を確実にしなければならないと思っています。

 

27. 公営とプライベート・セクターの入り変わった経済と、過去10年にわたる改革プロセスから、インド経済の多くの特徴は日本にとって魅力的であるとおもいます。例えば過去10年における年間6パーセントにも及ぶ成長率をはじめ、400億ドルを超える外貨準備額、穏当に安定している為替レート、そして進行中の特許法、保険、会社法、テレコム、そして発電等におけるライセンスの免除又は規制控除等が挙げられ、今日のインドの経済は持続した急速の成長を完遂しつつあります。4月1日以来、WTOの規制による輸入数量制限が不動産又は小売取引の分野以外ではなくなり、インド経済は国内外における民間投資を大いに歓迎するようになりました。

 

28. 21世紀の初めにおけるインドと日本の経済協力は重要であります。ハーバードで教育された経済学者で、ワールドバンクを経て現在はインターナショナルコンサルタントとして活躍中である戦略的思考家の一人、ブルキ シャエド氏は2025年には、中国が世界最大の経済大国となり、アメリカが中国を追うであろうと予測しています。シャエド氏は、インドは現在世界における生産高の僅か6%しか占めていないものの、将来13%に上回る事を想定して、インドが、世界第3の経済国になる可能性を秘めていると語っています。シャエド氏は、大国の中で、唯一移民受け入れ体制のあるアメリカを除いて、出生率低下による人口の減少が引き起こした経済縮小を経験しているロシア、西ヨーロッパ、日本に比べ、インド、中国、そしてブラジルやメキシコも後を追いエレファント経済になると予想しています。もし、シャエド氏の予測が正しければ、来る20年間には経済力の移動を経験することができるでしょう。インドと日本は、グローバル パートナーシップを確実なものにし、国民がこの発展がもたらしてくれる恩恵を手にいれる事ができるようにしなければ、ならないのです。

 

29. ITの分野においても日本とのグローバルなパートナーシップが結べる事と思います。当時森総理が去年の八月にインドを訪問した時、総理は21世紀における日本とインドのグローバルなパートナーシップを明言なさいました。このビジョンを満たすためにインドからプラモッド マハジャンIT大臣が九月の初めに来日し、竹中平蔵大臣と初のIT首脳会議が開催されました。

 

30. 今後5-6年におけるハードウエアーの需要は今日220億どるに相当します。ハードウェアーは日本の第一の強みであります。一方インドは過去10年にしてソフトウエアーの先頭にたつ国になりました。一流雑誌『エコノミスト』による最近の研究によると、インドには英語を話す人口がおよそ5000万人いて、世界の国々のよりどころとなる技術的に訓練された労働力を生産するカバシティーを有しています。エコノミストの計算によると、年間米ドルにして一人につき25,000ドルの収入があるスキルを持った労働力は一年に1兆ドルもの収入を産出することができ、これは現在のインドの国内総生産高の2倍になります。オランダ航空、スイス航空、英国航空は現在ほとんどの貨物、輸送、そして通商上の営業をインドで行っています。アメリカでは最大の会社であるゼネラルエレクトリックは南インドのバンガローにある巨大なテクノロジーパークで研究開発を行っていて、現在では本国アメリカより従業員を多く使っています。インドと日本の情報工学におけるシナジーは顕著であり、御互いの利益のためにもITにおいてのパートナーシップを持つことは自然であると思っています。

 

31. 若い人達が新しいチャレンジに挑み、30歳に満たない若さで自分のIT会社の社長を務めていらっしゃる事を喜ばしく思っています。日本では1000人ものインド人のソフトウエアーのエキスパートが働いていて、東京、大阪、岐阜ではインドのITの会社のトップ60が事務所を構え、21世紀にはITにおけるパートナーシップの促進のために1000人もの若いインド人が日本に来ることが期待されています。

 

32. 防衛の面でも、私達の協力は最近になってずっと改善されました。日本の海軍艦船がインドを訪れ、又、日本もインドの艦船を歓迎しました。又、両国で行っている指導過程にも以前にも増して、軍事武官が参加しています。重要な防衛において、更に交流が促進されると思います。両国の沿岸警備隊による海岸の治安維持における協力の促進は、南シナ海、マラッカ海峡、そしてインド洋で続出している海賊による海上のテロに戦うためには必要であります。

 

33. この講演のはじめに、日本の色々な場所で若い人達と会った時、悲観しているように感じたことは御話ししています。人々が時々感じる夢を失ったむなしさやはかなさを乗り越える力を、日本が携えている事に関しては、私は悲観的に思っていません。日本の歴史は自然との戦いであり、限ちれた資源のために、人間の力と社会の組織力、そして創作力に頼っていかなければならないのです。日本人は現在における困難を克服するたゆに必要な霊的資源を支配しています。偉大な歴史家であるアーノルド トービーは次のように語っています。「神道と仏教は人間ではない自然との協調性の倫理的義務に立ち、私は、日本人がさらに安全で幸せな道に人類を導いてくれると信じている。日本人は宗教的、元来の伝統を失わずに現代のテクノロジーを習得した。この伝統は人生における非人開化と人間ではない自然の近代テクノロジーによる汚染を霊的に癒してくれるのに役立ってくれる。日本の伝統は人間と人間ではない物の品位のために位置している。」インドの伝統は日本のと大体似ています。インドと日本は、より良い明るい世界を創るための立派な努力において自然のパートナーなのです。

 

34. 技術、経済、そして、まさしく公害の移動には境界のない世界において、内面の任意的行動是正能力、そして自制力のように仏陀に教えられた真実の哀れみを暗示している武士道の精神から、私達は奮起されなければいけない時が来たと思います。このような武士道の教義は真の「カルマ ヨギ」が達成しようとした理念とほとんど同じものです。結果を考えないで行動することは報酬又は制裁がカルマ ヨギにとって、義務の遂行の妨げにはならないことなのです。仏陀とガンジーは実践された武士道とカルマ ヨギの輝かしい二つの例なのです。インドと日本には、過去において立派な遺産や光を照らしてくれる灯台があり、今の暗闇の中から導き出してくれるでしょう。

 

35. 今回のプレゼンテーションを会津八一氏の詩を読んで終了させて戴きたく思います。この作品は短いながらも、過去にインスピレーションを求め、過去に敏意を表し、世界の問題と取り組む努力、そして、それ以上に人間と自然を結ぶ繊細な絆を敬い、守り、慈しみ育てる差し迫った必要性を描いたものです。

 

ここに 立たれる

生きて おられるかのように

天国に、地上に

この 静寂の中

微笑む 観音

 

こっそりと やってくる

だれが 寺の鐘をうつ

夜もふけて

仏も夢に入るころ

 

神なる仏の

うつろな まなざし

遠ざかりし 音

大和の野辺

霞 いでし


 2003年9月にインド大使アフターブ・セット氏はインドへ帰国、

アーユルヴェーダ会員と京都で送別会をし、メッセージを書き残した。 


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