第19回アーユルヴェーダ研究会研究総会

会員研究発表から

神奈川県民ホール 11月15日〜16日


ウコン

 

ショウガ科クルクマ(ウコン)属の薬用植物について

豊 田 祥 広

 

 ウコンやハルウコン、ガジュツ(屋久島)、紫うこん(沖縄)等が、最近、テレビや健

康雑誌などで度々紹介されていますが、錯誤があり、不正確が目立ちます。今回は、クル

クマ属植物の原産地と植物の特性、品種、栽培法、品質と薬効、利用法などの概要を報告

させて頂きます。

 

 『アーユルヴェーダ薬物』なかには、クルクマ属の植物で Haridra( Curcuma

longa,L., 英名ターメリック、和名ウコン)とSathi(Curcuma zedoaria.,英名イエ

ロー・ゼトアリー、和名ガジュツ)があります。この他にも『アー一ユルヴェーダ薬物』

として利用された品種はあると考えられますが、信頼出来るものとして文献に記載された

ものは現在のところ見当りません。

 

 この2種は、たにぐち書店発行『スシュルタ本集』大地原誠玄訳、に収録されています

同書で、Daru−Haridra(英名 Tree Turmeric )を学名上 C.aromatica,Sa

lisb., とされていますが、これは誤訳であって、同書第1巻141ページに記載のBe

rberisasiatica,Roxb.,メギ属が正しいでしょう。

 

 

ウコンの花

 

§1 分類

 

  クルクマ属植物は、ショウガ科に分類されますが、ショウガ属、ケンフェリァ属、ア

ルピニア属と近縁関係にあります。クルクマ属は、分類学上、現在までに50種を超える

品種(学名)が報告されています。従来の形態分類では、葉茎部・根茎部・花など、主と

して形状や色、花の場合には開花期などの特徴をもって、種を特定し学名を付してきまし

た。いまだに、決定的な分類法はありません。

 

 生化学の立場から、低分子・低沸点の芳香性精油成分モノテルペン類に着目し、その精

油の生合成は酵素による特異的反応として捉え、化学分類の種の同定を行なってまいりま

した。糖質や脂質などの成分の出発原料から中間生成物、最終生産物等の精油成分を分析

することによって精油パターンが簡便に識別できることが実証されてきました。形態分類

化学分類だけでなく、最終的には遺伝子解析によって種を特定することになるでしょう。

学名も混乱していますが、その内に再検討され、統一されて来ると思います。

 

                   

 クルクマ属植物は花は咲いても結果せず(実をつけない)めずらしい植物です。従って

交雑種はありません。突然変異による大変異か気候特性、土壌と水、栽培法などによる変

異によって形態的あるいは化学的に変化をもたらしたのではないかと見られる。学名が同

一種に重複している可能性が多分にあります。今のところ、学名よりその国、その民族、

その土地で呼ばれる名称を使うことが混乱しないことだと思います。

 

§2 原産地とクルクマ属植物の特性

 

 インド・スリランカ、ネパールなどのヒマヤラ地方、ミヤンマー、タイ、ベトナムやイ

ンドネシアなどの熱帯アジアを原産地とする多年生の植物です。気候区分は熱帯区ないし

亜熱帯区てあり、生長期は雨季であり高温多湿を好みます。生根茎断面の色が良く、芳香

性に富み苦味を呈する優良品種は、熱帯区であっても垂直分布から標高、略 1,000m

以上の高原、ないし、夜間温度が、乾期において10℃以下の、亜熱帯区での生育が考え

られます。

 

 いずれの種も専ら根茎の生長点で栄養繁殖します。背丈は、20cm(野生種)〜2m

(栽培種)に及ぶ。葉は、広く大きいのが特徴です。ハルウコンなどの根茎はショウガに

似たものもありますが卵型から細長いもあり、形状は種々雑多です。葉やステム(偽茎)

が緑のもの茶褐色の品種など、形態的違いがあります。根茎が苦い品種は、葉も苦味を呈

す。根茎内部の色は赤〜黄〜緑〜青〜紫と様々です。この色はpHによって変わります。

アントシアニンやアズレン系の色素を含有する品種もあります。

 

ウコン根茎

 

 一般的に、根茎に含有されているクルクミンと2価のミネラルのMg‥がキレート結合

して、独特の色(赤〜黄〜紫)を呈しています。この色はミネラルの含有量すなわちpH

に依存しています。キレート結合していなければ、発色せずに白色で、澱粉の色です。

 白ウコンと呼ばれるガジュツの仲間があります(屋久島のガジュツなど)。

太陽光線(紫外線)クエン酸やアスコルビン酸(ビタミンC)などによってキレート結合

が解離し、褪色します。

 包装が不適で、褪色することがあり、商品価値を落とすことが有リますが、効能効果に

は影響ありません。

 

 芳香性植物のハーブとして紹介されることもあります。低分子・低沸点の精油ですから

栽培している畑で既に芳香が揮散しています。アロマセラピーで『トップノート』に相当

する精油成分です。化学的には炭素数10ケの香気性成分モノテルペンの含量が高いこと

に起因します。アロマセラピーとカラーセラピーの観点からクルクマ属の薬用植物の優良

品種の選抜を行っています。生根茎の、切断面が蛍光を発するような鮮明な黄色で、苦味

が強く、鼻がすっとするような香りのある品種が推奨できます。

 

原産地インド

§3 品種

 原産地方面の熱帯アジアで数Kgの同じ名前の品種を買っても、別の品種が浸入してい

る事があります。インドネシアではよくあることです。分析する場合には、厳密に分

別し

なければならない。香気成分の精油を分析し、種の分類を試みていることは前述した通り

です。共同研究として、日本生薬学会で報告しております。利用される皆様方には、学名

は必要ないと思いますが、以下、代表的な種について説明します。()内は学名、もしく

は現在、充当されている学名です。最初のカタカナ名は和名です。

 

ウコン:英名ターメリック、中国名キョウオウ(Curcuma longa L.)

   (インドネシアでは、C.domestica Val.)。秋に開花する。

    カレーの色素や染料として利用されています。辛味が強く、苦味は殆んど無い。

    セスキテルペンが多く、番リの良いモノテルペンが少ない。

 

ハルウコン:中国名ウコン。(C.aromatica Salisb.を充てている)

    ルーツは不明。ステムも葉もグリーン。葉の裏にはビロードの様な繊毛あり。

    春開花するが、開花率は、良くて20%前後。根茎は黄色。辛味より苦味が強い

    モノテルペン含量が高く、食品の賦香料として利用できるまた、薬効も驚異的で

    あり、高齢化社会において、かならず、見直されてくると思います。

    学名は再検討を要する。

 

    表面は、熱を取り去る『寒』であり、本質は『温』の特性を持ち、このことは、

    虚証にも実証にも適用し、どのドォーシャにも効果があると考えられます。

 

屋久島のガジュツ:別名白ウコン(学名は C.zedoaria ではなく C.caesia?)

    春開花するが、開花率は低い。苦味が強く、モノテルペン含量が高い。カンファ

    ーを含み、算がすっとする。アズレンも含有しており・蛍光を発する青灰色を呈

    する。学名は再検討を要する。

 

    ステムは緑色。葉の中央は紫色を呈する。平均600g/株で小振である。

    沖縄の紫ウコンとは、別種とみられる。

 

沖縄の紫ウコン:屋久島のガジュツよリ色は、若干濃い、ステムは紫色に着色している。

    葉の中央は紫色を呈する。1〜1.5kg/一株、根茎は肥大する。

    日本の栽培種としては、根茎も肥大し、良好である。

    学名不祥。

                    

 

ガジュツ:英名イエロー・ゼドアリー(C.zedoaria Rosc.,)

    ガジュツ系の種は殆んど春開花するが、ハルウコンと同様、開花率は低い。

    根茎は鮮明な黄色であるが、緑色から黄色に変化することは知られていない。

    根茎は、肥大する。栽培種としても、加工用にも適している。

 

    ハルウコン同様、辛味より苦味が非常に強い。ハルウコンと屋久島のガジュツの

    モノテルペンを併せ持った優良品種である。勿論、モノテルペン含量が高い。

    ステムは紫色、葉は緑色を呈す。(日本種ではない!)

 

    ハルウコンと違い多量のカンファーを含有するため気の滞りを破リ、鼻をすっと

    させてくれたり、汚血を破り、気管支喘息を治したり、高血圧疾患を速やかに改

    善したり、勿論、各種肝臓疾患、糖尿病等にも効果が臨床的に認められてきまし

    た。この薬効は驚異的なものです。

 

    アグニを高めます。表面は『寒』であり、本質は『温』の特性を持っています。

 

ムラサキガジュツ:(C.aeruginosa)

    アエルギノーサとはラテン語で青緑色の意。ステム(偽茎)も葉の中程にも、紫

    色を帯びるのが特徴。根茎は肥大し、青緑色で、苦味を呈す。

 

    中国では、これをガジュツとして栽培し、乾燥加工して日本に輸出されている。

    単に、ガジュツとしても、ガジュツ系の品種は沢山あって、分類上、混乱してい

    る。種の特定が待たれる。

 

    秋開花、開花し易い。年中開花するとも云われ疑問を持っていましたが、ことし

    の10月20日インドネシアのBogor植物園(乾季の終わり)でも開花して

    おり、年中花は咲いているとの説明を受けて、納得しました。

 

クスリウコン:インドネシアのトゥムゥ・ラフ(C.xanthorrhiza Roxb)

セスキテルペンのキサントリゾールを含有するのが特徴。

(インドの C.aromaticaの精油パターンもこれに良く似ています)。

 内外での論文は多い。

 

    主根茎は2〜3年の栽培で巨大に肥大します。牛の金玉と云う人もいる位です。

    根茎の色は、濃い赤黄色で昧や香りはよくない。インドネシアのJAMUによく

    使われています。Bandungでは、清涼飲料水としても販売されています。

    薬効は、過大評価されているきらいがあリます。

 

                     

トゥムゥ・キリン(和名なし):(C.heyneana Val.& V.Zijp)

    インドネシアのジャムウでよく使われる Temu giring 。

    アロマセラピーとカラーセラピーの観点から優良品種と見傲す。

 

    根茎は肥大し、内部断面は鮮明な黄色で、香り良く、苦い。ジャカルタで投宿し

    た駐在日本人の、腹痛と下痢の症状を、トゥムゥ・キリンで、一晩で改善させる

    ことができ、感謝される。

 

    脳出血の為、Bandung での仕事を辞めて、埼玉県に帰国する山下氏は、心と体が

    ウツの状態であったが、外見的には後遺症はみられなかった。ご夫人共々、トゥ

    ムゥ・ギリンの香りを評価されたので、代わりにハルウコンの粉末をプレゼント

    した。翌日の夕食会では、既に顔は生き生きされていた。

 

バンウコン:(ケンフエリア属の Kaempferia galanga L.)

    秋開花します。温帯地方でも殆んど全株開花します。花は小さくて可憐である。

    葉は幅が広く、匍匐性で、背丈は極端に短い。

    開花してから鉢上げすれば、1ケ月以上観賞できます。

    江戸時代に、南蛮すなわち現在のベトナムから日本に伝来したと言います。

 

    インドネシアでは Kencur クンチュルと呼ばれ、クニすなわちインドネシア

    のウコンなどと共に、ヘルストニックとして利用されている。体が冷えたときに

    ジャムウでよく使われています。まずくて、一緒に出される加糖ジュウースの味

    で誤魔化すことになります。後口が悪い。

 

 原産地の植物は、いずれも有用であり、学術的にも貴重です。植物検疫所の許可を得て

輸入した熱帯アジアの種は亜熱帯から温帯地方に分散して、試験栽培を行なっています。

 

§4 栽培法

 

 いずれも、温帯地方でも十分育ちます。栽培に際しては、確実に越冬できれば、安心で

す。原産地方面の気候特性は、熱帯区てあり、雨季に育ち乾季に休眠することから、栽培

に於いては、温度と水を要求します。肥料欲で、根茎は肥大します。連作する場合に限ら

ずミネラルの多い有機性の肥料の投入が慣用です。完熟した有機性肥料の大量投入は、極

く、一部が肥料として作用しますが、土壌を物理的に微生物的に、改良する効果がありま

す。ただし、鶏粉はアルカリが強すぎて多量の施肥は根腐れの原因となりますので、極く

少量に止めます。内材のノコ屑を敷料とした牛糞が完熟すれば最良の肥料です。

 

               

  土壌分析では、pH・酸化還元電位・EC(電気伝導度すなわちミネラルの量に相関)

さらに、炭素Cと窒素Nを測定します。有機物の完熟度を表す、炭素率C/N比を計算し

ます。更に多量に必要なCaとMg(苦土)を測定すれば十分です。農薬や化成肥料によ

って土壌は、酸化電位を帯び、土を固くさせます。疲弊した土壌となります。還元作用の

あるビタミンCやE・カロチノイド(カロチンとその誘導体)・フラボノイドなどを産生

しても植物体自身で消費し、その含有量が低下します。栄養効果が期待できないことにな

ります。

 

 良い土壌は必ず、還元電位に入っています。酸化還元電位はORPメーターで簡単に誰

にでも測定出来ます。有機肥料は土壌を還元させ、柔らかにさせ、蘇生させます。有機物

を分解する微生物だけでなく、植物から養分を貰い土壌から肥料成分を吸収し植物に供給

する供生菌、いわゆる、VA菌根菌が増えます。また、有機物を分解するみみず等が殖え

ます。ミネラル・アミノ酸・ビタミンなどの栄養素は、葉面散布で葉の裏側の気孔から吸

収させます。葉面散布剤の量は、土壌施肥に比べて一桁以下で十分だと言われています。

 

 指標作物は、同じ原産地の里芋です。葉も大きくよく似ています。里芋の栽培に自信が

あれば、クルクマ属植物の栽培は容易です。里芋と同様、耐寒性が欠点です。亜熱帯迄は

越冬出来ますが、温帯地方では越冬が困難となり、露地栽培では困難となります。亜寒帯

ではハウスによる、夜間温度10〜12℃程度の加温栽培を奨めます。

 

§5 品質と薬効

 

 重要なことは、種によって食味と薬性が異なる点にあります。厳密には、食味と薬性は

別々の意味を持っていますが、食品的な説明をします。ショウガ科ショウガ属とクルクマ

属の種は、いずれも、強い持続性の辛味を有することが特徴です。持続性の辛味は嫌味で

あり、芳香性をマスクし、食品としての風味は良くありません。強い防かび作用と抗菌作

用があります。クルクマ属では、ガジュツ系の品種やハルウコンは、いずれも、強い苦味

を有する特性があります。持続性のない苦味は、芳香性と両立し、反復性を持ち、慣れる

と嗜好性を持ち、好まれます。香気成分は、すっとした持続性の清涼感があります。

 

 品質は精油成分の特性とその含有量によって支配されます。香りの良い品種を選ぶこと

です。低温乾燥した加工品は、非常に薬効が高い。これは、モノテルペンの効果です。特

殊な乾燥機によるこのような加工品は、市販品では、見当リません。凍結乾燥は、細胞を

スポンジ状に破壊され、香りの成分は逸散し、含量は少なくなります。利用するに当たっ

て、留意すべきことですが、熟知した専門家てないかぎり、品質の評価は、難しいと言え

ます。アロマセラピーを理解しない生薬の専門家も認識不足のきらいがあります。

                      

 

 アロマテラピーで利用される精油は沢山ありますが、〈ポアゾン〉とラベルされている

事があります。〈有毒〉であることを意味しています。精油を舐めると、大人であっても

引っ繰リ返ることがあります。副作用があると言うことです。それだけ香りのある精油は

心と体に非常に強く反応する証です。過剰摂取をしてはならない根拠なのです。辛味を消

す程度に簿めれば、香りも持続する清涼感も出て、逆に、効果を強めることになります。

 

 クルクマ属の植物は、インドやネパールでは神から与えられた聖なる植物として扱われ

ています。その根茎は、食用としても薬用としても利用されています。西洋医薬品では考

えられない薬用効果を持った品種があります。多くの生活習慣病や活性酸素病に臨床的に

効能が認められてきています。

 

 品種や加工上の品質ならびに栽培地による成分特性などによって、効能効果が異なるこ

とは指摘されていない。強い効果をもった品種ほどメンゲンも速やかに現われ、ハルウコ

ンによるマウスの急性中毒の実験もあります。抗癌剤と同様、大量投与によって一時的に

白血球や血小板が減少することが分かっております。

 

 今までに、臨床的に認められている効果は、以下の通りです。

〈肝臓系疾患〉慢性肝炎・ウイルス性肝炎・アルコール性肝炎・脂肪肝・肝血腫・初期肝

       硬変・胆嚢炎・胆管炎・胆石症・黄疸・肝臓系湿疹・蕁麻疹・薬疹

〈消化番系疾患〉胃アトニー・胃潰瘍・十二指腸潰瘍・食欲不振・腹痛・下痢・便秘

〈代謝系等の疾患〉糖尿病とその随伴症状

〈呼吸器やアレルギー性疾患〉アトピー性皮膚炎・アレルギー性鼻炎・気管支喘息

〈婦人病〉子宮出血・卵巣腫瘍・更年期症候群

〈神経系疾患〉ウツ病・心身症・不定愁訴症候群・農薬中毒

〈腎臓ならびに循環器系疾患〉高血圧・浮腫・ネフローゼ・アテローム・心臓弁膜症・

              狭心症・心筋梗塞・脳梗塞

 

 その他メニエル症、アフター口内炎、痔疾などなどの疾患に効果が認められています。

去痰・脱コレステロール・利水・利尿利胆・通経・乳汁分泌促進・駆風・怪我や鼻血など

の止血と化膿止め・肉芽形成促進等の作用もあります。効果があります。制癌効果も期待

されています。癌患者の延命効果も認められています。なお、症状が重い程、ごく小量で

速やかに効果が現われますので、過剰摂取は厳に慎むことが肝要です。

 

 薬効の強さは、生の状態で摂取することが最大です。すなわち、香りの成分が多いから

です。薬効が、すべて論文として報告されている訳ではありませんが、効果の範囲が非常

に広いことは特筆すべきことです。

                       

 

 過剰摂取は効果が失われたり、副作用が出ることがあります。《作用の無いものには副

作用はなく、副作用の無いものには作用も無い》と言うことが、生化学の常識です。

効果が認められたら、量を増やすのではなく、少なめに摂取して、常用することをお薦め

します。

 

 飲み始めて、いわゆる、『好転反応(メンゲン)』として、一時的に、体や足の裏がほ

てる、軟便や下痢、湿疹、赤斑、鼻血を伴うことがあります。この場合には、摂取量が多

く過剰反応と認められますので、量を減らすか、一旦、摂取を停止して正常状態に戻して

から再びお飲みになれば良いでしょう。メンゲンは速やかに通過することが肝要です。

 

§6 利用法

 

 日本での栽培優良品種の、ハルウコンを中心として利用法を以下説明します。

 

〈生の葉〉

 

   (料理用)消臭作用があるので、魚や肉を煮る時に使用する。鱧(はも)は骨が多

   い魚なので、皮一枚を残して、骨切リをする。フライパンに油を敷いて、ハルウコ

   ンの葉をしき、生でも、凍結した鱧を乗せ、強火で焼く。水を振リかけて蓋をして

   弱火にして蒸し焼きにする。身はバラバラにならない。

 

 

〈主根茎〉 ←クリック(参考写真京都薬科大学のホームページから)

 

   (薬味)スライスして、醤油をかけて食事の時に、ショウガの代わりに薬味とする

   人もいます。卸して、食事の時、お茶にして飲む人もいます。1Kgの主根茎は、

   約3ケ月、毎日、食事ごとに利用できる量です!

 

   (ドリンク用)水で湿式粉砕した主根茎を薄める。辛味が消えるまで薄める。辛味

   にマスクされていた香りが浮き出てきます。飲んだ後に、すっとした清涼感が持続

   します。喉をこせば、苦味はすぐ消えます。反復性をもつ嗜好性清涼飲料の出来上

   がりです。薄める水は、生体水に近い還元電位の水を使うことで、効能が上がりま

   す。

 

   食事の時に、コップで1/2〜1杯の飲用が標準量となります。色々な疾病を改善

   します。健康管理や予防医学して、特に、高齢化社会に最適だと思います。家庭で

   も簡単にできます。卸してフリーザーで凍らせて使うことも出来ます。

                    

 

   更に、還元水で約倍量に薄めて、苦さを殆んど消してしまいます。隠し味程度の濃

   さにします。フラボノイドを含有するお茶をブレンドすれば、更に、効能が上がり

   ます。温めても冷やしても風味のあるドリンクになります。飲用は随時適量です。

 

   この飲みやすく風味のあるドリンクは、透析している糖尿病でも尿が出ます。ネフ

   ローゼでも尿蛋白は(一)になります。心臓弁膜症、狭心症、脳梗塞など腎臓から

   循環器系の症状に効果があります。最近、アルコール脂肪肝・高血圧・糖尿病等に

   も効果の有ることが、山本記念病院の理事長から報告されています。

 

〈粉末〉低温乾燥した100%のハルウコン原末は、苦く、モンテルペンが多く、香

り良く、薬効が非常に高い。毎食時の標準摂取量は約0.1グラムに過ぎない。

 ごく微量を隠し味として、ビールやお茶に添加すると味と香りが引き立ちます。

 

〈錠剤〉粉末が苦くて、苦手な人に向きます。粉末より高価になりますが、使い勝手も良

   いので、利用者は増える傾向にあります。配合成分に更に効果が向上します。

 

§7 まとめ

 

 品種によっても、また、主根茎の卸したもの、水で抽出したドリンク、粉末や錠剤など

によって効能効果の違いがあります。また乾燥加工法によっても品質に大差があり、当然

効能や効果も変わります。

 

 原産地が熱帯アジアでも、沖縄から東北地方まで栽培は可能ですから、白家栽培・自家

消費で普及させたいと願っています。クルクマ属植物はその特性を理解して使用すれば、

簡単に家庭で治療できる貴重な薬草です。

 

 生でも加工品でも、基本的には、苦くて、香りの良いものを選ぶことが肝要です。高価

だと思っても、小量で強い効果がある訳ですから、結局、割安となります。こうしたこと

は、宣伝もされていないし、文献にも記載されていません。

 

 なお、熱帯アジアのターメリック(ウコン)には、クルクミンが非常に多い。クルクミ

ンによる抗酸化作用と紫外線カットの効果がありますので、外用に適しています。クルク

ミン含量に相関して脂肪酸とアルコールのエステル結合したロウ分(ワックス)が、また

抗酸化作用を有し、良心のバリアー効果を持っていますので、原産地のウコン・オイルや

ウコン・クリームの需要は並々増えると思います。浸透性の良いツバキ油にハルウコンと

熱帯アジア産のウコンを抽出したウコン・才イルは頭皮と毛髪に非常に良いようです。

 

                    

§8 謝辞

 

 幡井勉先生・上馬場和夫先生・クリシュナUK先生・山本記念病院理事長の山本百合子

先生を始め多くのドクター、生薬学の先生方、栽培に協力してくれち人々、原産地方面の

現地調査に際し支援して頂いた人達や会社、そして年老いた母に深く感謝します。ご指導

ご支援有難うございました。 

 なお、年が明けたら、約1ケ月でバンコックをべ一スにして、インド・ネパールの現地

調査に入る予定です。その後で、出帆新社から本を出版する予定です。詳しくは本で紹介

したいと思います。

 

〈主根茎〉⇔(参考写真・京都薬科大学のホームページから借用) 

 【本稿は、第19回アーユルヴェーダ研究総会(H9.11.15)発表原稿です。】 
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